CIA本部の前に飾られた未解読暗号とは~世界的に有名な未解読暗号「クリプトス」が落成した日

2013/12/05

CIA アメリカ クリプトス 暗号 隠された謎 真相 世界の謎 未解決

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「クリプトス(Kryptos)」はバージニア州ラングレーの中央情報局(CIA)本部に置かれている。
1990年11月3日の落成以降、板面に打ち抜かれた暗号文について多くの推測が行われた。4つの面のうち、3面までは既に解読されたが、残りの4つ目の面の暗号が世界的に有名な「未解読暗号の1つ」となっている。



■未解読暗号「クリプトス」とは?

バージニア州ラングレーにあるCIA本部の敷地内に、「クリプトス」という暗号が刻まれた彫刻がある。これはアメリカ合衆国の芸術家ジム・サンボーンの彫刻作品であり、1990年に設置されて以来、4つに分かれる暗号文のうち3つは解読されたが、最後の部分は今でも未解読のままだ。
ベストセラーとなった小説『ダ・ヴィンチ・コード』でも取り上げられた。



クリプトスという名前は、ギリシア語で「隠す」という意味の単語から来ていて、この彫刻のテーマは「情報収集」である。一番の特徴は、巻物もしくはコンピュータのプリンタから排出される一片の紙を思わせる、大きなS字型の直立する銅のスクリーンで、暗号化された文章を構成する文字列で覆われている。
文字列は標準的な26文字のアルファベットとクエスチョンマークで構成されており、この「碑文」は4つの別々の不可解なメッセージを表し、そのうちの3つは既に解かれている


■4つの暗号のメッセージとは?


クリプトスは左右対称型である彫刻本体の半分、片方側に打ち抜かれた暗号文は869文字から構成されている。 しかし、2006年4月にサンボーンは、意図していた1文字が失われていると発表した。これを合わせると合計の文字数は870文字となる。もう片方側には、スペースまで入れると869文字のヴィジュネル暗号が書かれている。
1999年に最初の3つの暗号を解読したと初めて世間に公表したのは、南カリフォルニアのコンピュータ科学者であるジェームズ・ギログリーで、760文字を解読した。
彼が解読できなかった97、98文字は、政府自身の暗号分析においても悩んでいたのと同じ部分だった。ギログリーの公表後、CIA分析官のデビッド・スタインが同じ部分を1998年に鉛筆と紙だけで解読していたが、その時点ではその情報はCIA内に留めていたことを公表した。
アメリカ国家安全保障局も、ケン・ミラーが率いるデニス・マクダニエルズその他2名からなるチームが1992年末にコンピュータを用いて第1部から第3部までを解読していたが、2005年までその詳細を公表してこなかったと主張した。しかし、どちらも第4部については未だ解答を得ていない。

■4つめの未解読暗号は、解読される日が来るのか?


スクリプトを作ったアーティスト、ジム・サンボーン(写真)は元CIA暗号センター長のエド・シャイトとともに彫刻に彫られる暗号システムを考えたと言われる。
サンボーンは、この彫刻の謎の中にさらに謎があり、それは4つの暗号文章が解かれた時にのみ解くことができると明かしている。また彼は、当時のCIA長官ウィリアム・ウェブスターに暗号の解答を渡してあると語っている。また、サンボーンは、最初の3つの暗号に最後の暗号を解くヒントが隠されていると述べている。
ただしサンボーンは、ウェブスターに完全な解答を渡した訳ではないとも語っている。


サンボーンは第2部で「誰が正確な場所を知っているか? W W だけだ」と記しており、この"W W"はウィリアム・ウェブスターを指しているということを認めている。サンボーンはまた、暗号の完全な解答が明らかになる前に彼自身が死亡した場合でも、誰かが正解を確かめられるようにしてあると確約したとされている。
第4部の暗号はまだ解読されていないが、2003年に設立されたYahoo! Groupsでは、2000人以上のメンバーが協力して熱心に解読を試みているが、いまだに4つめの暗号は解読されていない。

4年ぶりに暗号解読のヒントが明かされる?(2014・3追記)


クリプトスを制作した芸術家James Sanbornは、2010年に『New York Times』紙に対して、クリプトス制作20周年を記念して、まだ解読されていない最後の一節の残り97文字のうち、6文字分を明らかにした。
その6文字は、最後の97文字のうち64〜69文字目に当たる部分で、「NYPVTT」と書いてある。暗号を解いた際には、この部分は「BERLIN」になるという。

Sanborn氏がヒントを明らかにしたのは4年ぶりのことだという。前回は2006年に、作品の中の1文字が欠落しているのを修正し、暗号解読を目指す「探偵」たちを軌道修正させた。


「クリプトスが建造された前年にベルリンの壁が崩壊したという歴史的文脈を考えれば、ヒントが『ベルリン』だというのは腑に落ちる」と、暗号解読に取り組むElonka Dunin氏は言う。同氏はゲーム・デザイナーだが、数千人が参加してクリプトス解読についての議論を行なっている『Yahoo! Groups』や、クリプトスに関する包括的なウェブサイトの管理人を務めている。Yahoo! Groupsではさっそく、このヒントに関して90分間の電話会議を行なったという。

Sanborn氏は、「BERLIN」というヒントと共に、自分のウェブサイト『Kryptos Clue』を開設した。(2014年現在閉鎖中?)最後の97文字を解読したと思う人は、最初の10文字をこのサイトに送信してほしいという。


参照元:クリプトス

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